地域と繋がってこそ、シーバードコバルトの役割が広がる
現在、コロナ禍で海の活動が本格的にスタートできない状況です。海での活動報告ができずにいるこの機会に、私達シーバードコバルトと海と地域との関係などを紹介させていただきます。
シーバードコバルトは“笑顔あふれる海へ”をモットーに2015年より活動をはじめました。母体はNPO法人コバルトブルー下関ライフセービングクラブで、2018年より渚の交番※島戸の運営も担っています。
活動エリアは日本一美しい橋として有名になった山口県の角島大橋周辺です。コバルトブルーに輝く海、白い砂の海岸、真っ青な空、そんな素晴らしい自然の中で活動しています。
地域との関係
シーバードコバルトの隊員は元サーファーが多く、2000年ごろからこの地域でサーフィンを楽しんでいました。地元の漁業関係者は以前密猟された経験があり、ウェットスーツを着ているサーファーをあまり快く思っておらず、受け入れてもらえるとはとてもいいがたい状況でした。
私達は地域の方々に認めてもらうために、まず漂着ゴミ問題に取り組みました。ビーチクリーンを継続して行うとともに、無人島(鳩島)の清掃活動を開始。以前は清掃活動が困難でしたが、シーバードに参画してからは、水上オートバイを使い上陸し、清掃活動とゴミの移送を実施しています。
今ではシーバードデイの開催時に地域のみなさんや地元漁協の全面的な協力を得て、子ども達にサザエのつかみ取りを体験させていただくまでの関係になっています。
また一方で水辺の事故をなくす活動にも力を入れ、海水浴場の安全管理を任されるまでになりました。
このような地道な活動が地域での信頼の輪を広げ、2016年には漁協をはじめ下関市豊北総合支所、門司海上保安部、下関海上保安部、小串警察署、豊浦西消防署豊北出張所、地域の学校等の方々と良好な関係を築くまでに至っています。
3つの海水浴場の管理を任されて
現在3カ所の海水浴場の安全管理を担っています。角島には2つの海水浴場があり、東側がコバルトブルービーチ、その西隣が大浜海水浴場、この2つの海水浴場を1台のシーバード艇と、のべ約300名のライフセーバーで管理しています。3カ所目は橋を渡る手前西側のホテル西長門リゾート前のビーチで、もう1台のシーバード艇を使い安全管理及びパトロールを行っています。ここに配置しているシーバード艇は橋を隔てた渚の交番島戸前に位置するホワイトビーチ島戸からの緊急時のレスキュー対応も担っています。
私達は海水浴場の安全管理ばかりでなく、海難事故に対しても海上保安庁や消防の「はざま」を埋める存在として社会に貢献したいという思いもあり、更に機動力を高めるため山口県消防学校と連携して操船訓練や水難救助訓練などを実施しています。
豊かな自然を次世代につなぐ
私達の活動の目標は開発型ではなく、環境を守りながら豊かな自然を次世代に伝えていけるようなまちおこしです。シーバードが?って思われるかもしれませんが、活動エリア周辺では観光地を一歩離れると高齢化や過疎に悩む地域があります。地域のみなさんが活力溢れる地域、また都会のみなさんが来て癒されて楽しめる場を提供したい。ここにある海や豊かな自然を生かし、遊びや食を通じ満ち足りた時間を提供していきたい。そのため渚の交番島戸の運営とシーバード活動が一体となって現在活動を続けています。
今年のシーバードデイは9月の予定です。子どもから大人までこの地域の海の魅力を様々なマリンアクティビティ(水上サイクリング・クリアカヤック・SUP・シュノーケリング・バナナボートなど)を通じて体感してもらいます。イベントを通じて海を思いっきり楽しんでもらう事、さらに海の怖さを学んでもらう事で将来にわたる海難事故防止にもつなげています。シーバードデイには今まで関係してきた地域の皆様が一体となってイベントを盛り上げてくれます。是非、コバルトブルーに輝く宝石のような海を楽しみに来てください。
(シーバードコバルト)
※渚の交番
日本財団が立ち上げたプロジェクトで、海辺を中心に地域の諸問題を解決するプロジェクト。地域の海辺をフィールドに活動している団体だけに限らず、地域の様々な団体や活動を横断的に連携させ、点ではなく面で海辺の安全と安心を向上させ、誰でもアクセスできる楽しい海創り・地域創りに取り組む。また同財団が浜辺に設置している市民活動のための複合型施設のこともさす。
(日本財団ホームページより)
https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/policeoffice